【上方芸能な日々 文楽】平成29年夏休み特別公演<3>

人形浄瑠璃文楽
平成二十九年夏休み特別公演 <第三部 サマーレートショー>

「しっかし、夏休み公演て『夏祭浪花鑑』と『伊勢音頭恋寝刃』しかないんかいっ!」って憎まれ口もちょいちょい叩くわけだが、やっぱり『夏祭浪花鑑』の「ねっちょり感」は大阪の夏にぴったりやな~と、つくづく思う。幸いなことに、今夏は歌舞伎、文楽揃って『夏祭浪花鑑』がかかるので、見比べることもできた。そんな人も多かったのでは?

夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)

名称未設定-2松竹座の歌舞伎では、団七九郎兵衛を染五郎が江戸様式で演じたが、こちら文楽は、勘十郎が文七かしらで遣う。公演前には、染五郎、勘十郎が揃って高津宮へ大入り祈願に参詣している。文楽あっての歌舞伎、歌舞伎あっての文楽。文楽と歌舞伎が先頭に立って、今後も上方の芸界を盛り立ててもらいたい。

「住吉鳥居前の段」
口:咲寿、團吾 奥:睦、宗助
このところ、株を上げている咲寿くん。なかなか語りに骨格が出来てきたように聴こえる。一方で、その骨格がいまだ不鮮明な睦だが、宗助はんがそれをカバーして余りある技巧で、「不鮮明な骨格」を感じさせずに場が終わる。歌舞伎では鴈治郎演じた釣船三婦が、上方和事の妙味で客席に笑いを起こす場面があるが、文楽ではそれはなく、あくまで団七と一寸徳兵衛の出会いがこの段を支配する。どち

続きを読む*新しいサイトに移動します

leslieyoshi について

在大阪香港永久居民。 頑張らなくていい日々を模索しながら生きています。
カテゴリー: 上方芸能, 人形浄瑠璃文楽 タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , パーマリンク

コメントを残す